2012年11月15日

「重い障がいをもつ子どもの自立」 うりずん学習会のお知らせ

皆さま


高橋昭彦@ひばりクリニック/NPO法人うりずんです。
いつも大変お世話になっております。

このたび、うりずんでは、2012年12月2日(日)に、学習会を開きます。9月30日の学習会「外出は社会参加!」に続き、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の助成金による事業です。


今回のテーマは、「重い障がいをもつ子どもの自立」です。

皆さんにぜひいらしていただきたいと思い、年末のお忙しい中ではありますが、ご案内させていただきます。

現在の我が国では、子どものお世話を主体的に行うのは家族です。
家族は、子どもの世話をし、子どもは大きくなると、家を出て社会に旅立っていきます。
しかし、もし子どもが障がいを持って生まれて来たり、人生の途中で
病気や事故によって障がいを持つに至った場合には、その状況は違ったものになります。


障がいが重度であればあるほど、子どもの世話に関わる家族(主に母親)の負担は増えていきます。世話(介護)を担う家族は、仕事をやめたり、自分の趣味や活動などもできず、十分な睡眠がとれないこともあります。
親が元気なうちは、体も動きますし、無理も効くかもしれません。しかしこの状況が長く続くと、親は年老い、子どもは大きくなり、いつか介護ができない時期がやってきます。


北欧のある国は、成人を迎えた障がい者は、社会が支え、親は介護から解放されると聞いています。子どもは、親が介護できなくなったら、地域で暮らすことはできないのでしょうか。子どもは、大きくなっても、ずっと親がみなくてはいけないのでしょうか。

ここでいう「自立」とは、何でも自分でできることをいうのではありません。もし自分で何でもできることを自立というのであれば、重い障がいをもつ人は一生自立できないことになってしまいます。

歩けなくても、立てなくても、車いすや何らかの手助けがあれば、自分の行きたいところへ行ける、これも自立です。

自分の手で食べることができなくても、今日はまぐろの刺身が食べたいと思い、それを食べさせてもらうことができれば、それは自立です。

今日はどんな色の洋服を着たいかと考えて、望む色の洋服を着られなくてもヘルパーさんに着替えさせてもらうことができれば、これも自立です。

私は、この大切なことを、脳性まひのあるご夫婦から教えていただきました。


社会的に自立をするということは、自分の活動を自分で選ぶことができる自己選択と、社会で人や物と触れ合うことができる社会参加ができることです。

どんな障がいをもつ子どもも、地域でその人らしく(楽しく)過ごしていくこと、それは、なかなかたやすいことではありません。
できれば、親が介護できなくなった後でも、その子どもが望めば、その地域で暮らしていくことができる社会になってほしいと思います。
できれば、親がまだ体が動くうちに、介護から解放されて自分の人生を楽しめるような社会になってほしいと思います。


重い障がいをもつ子どもの自立というテーマで、
今回お話を伺うのは、李 国本 修慈 さんです。


国本さんは、兵庫県伊丹市で「有限会社しぇあーど」「NPO法人地域生活を考えよーかい」において、24時間365日の生活支援を実施しておられます。

『母親が亡くなり、いよいよその子どもを障がい者の施設へという
話が出たときに、国本さんは「本当にそれは子どもが行きたいと言うているんか!」と待ったをかけて、結局ご自分のところに連れてこられ、現在もその方はしぇあーどに「住んで」おられます・・・』なんてお話も聴かせていただけると思います。

知ることは力になります。国本さんのお話は、とても刺激的です。
私たちに多くのヒントを与えてくださることでしょう。

また、今回は、前半の国本さんの講演に続き、後半は、国本さんに模擬ケース検討会を企画しています。
コメンテーターとして、宇都宮市障がい福祉課の島田係長と、栃木県障害者相談支援協働コーディネーター渡邊様にもご参加をお願いしています。検討会で、登壇者、参加者の皆さんと、自分ならこうしたい、地域の課題とは、など意見交換をしていただく予定です。

当日参加も可能ですが、準備の都合上、以下の申し込み方法よりお願いいたします。
まだまだ余裕がありますので、ふるってご参加ください。

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 うりずん学習会2012冬
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今回のテーマ:「重い障がいをもつ子どもの自立」

日時:2012年12月2日(日)
10:00〜13:00(受付開始9:45〜)
会場:パルティ(とちぎ男女共同参画センター) 研修室301
http://www.parti.jp/
〒320-0071栃木県宇都宮市野沢町4番地1
定員:100名
参加費:無料
申し込み方法:「うりずん学習会2012冬」

 
学習会の申し込み用紙を印刷していただき、
FAX(028-665-8899)または郵送をお願いします。
氏名、住所、電話、年齢、職業又は資格をご記入の上お申込み下さい。
定員を超えた場合のみご連絡いたします。
posted by 管理人 at 14:35 | Comment(2) | お知らせ
この記事へのコメント
はじめして。小児緩和医療・在宅医療に興味を持っている小児科医です。先生のHPをみて、第4回第4回日本小児在宅医療・緩和ケア研究会があれば、ぜひ参加させていただきたいと思いました。もし開催日が決まっておられましたら教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
いつも子ども達への熱い想いを感じて読ませていただいております。
Posted by 金城紀子 at 2013年07月20日 21:24
金城紀子様 
 はじめまして。このたびはご連絡ありがとうございます。お返事が遅くなり申し訳ありません。
 さて、日本小児在宅医療・緩和ケア研究会ですが、実は4月のはじめにアメリカで小児の地域支援に取り組む皆さんをお呼びして関係者のシンポジウムを行いました。

http://shounizaitakusien.kenkyuukai.jp/event/event_detail.asp?id=7301

例年の通り聖路加看護大学で行う研究会はあるというつもりでいたのですが、今年は4月に行ったので次回は来年度ということになるかもしれません。私も参加できなかったので、中身をお知らせすることもできずご期待に添えず申し訳ありません。
ほかにもさまざまな動きがありますのでまた可能な限りアップしていきたいと思います。
 天候不順の折お体くれぐれもご自愛ください。
Posted by 高橋昭彦 at 2013年07月29日 18:07
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