2009年01月26日

末期がんの在宅緩和ケア その4:そのとき、どこに相談するのか

 ミチオさん(仮名・72歳男性 その1〜3参照)は、ご自身が望んだ家で最期まで過ごすことができた。家族としては、年末年始あぶないかもしれないという思いからSOSが発せられたのだが、本当はもう少し前に地域とつながっていることができれば、それほどあわてずに対応できたと考えている。いつ、どこへ相談するのか、それにはさまざまな調整が必要なのである。


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「そのとき、どこに相談するのか」
 では、末期がんの人が地域で暮らしたい、という希望があった場合、家族はどこに相談すればいいのかひらめき。病院に入院している場合は、病棟の医師や看護師を通じて、医療相談室や地域連携室など名前はさまざまだが、「退院支援・地域連携」を行う部門に連絡をとってもらい相談する。もし、病棟にうまく話が通じない場合には直接相談室に話をしてもいい。そこには、医療保険や介護保険の制度に通じ、在宅緩和ケアの準備や調整ができる医療ソーシャルワーカーなどのスタッフがいる。
 病院を退院後に外来通院をしている人も、やはり病院の相談室で相談したほうがいい。その上で、相談室から地域の訪問看護やケアマネジャー、そして当院のような在宅療養支援診療所に連絡をしていただけると、医療的な情報も確実に得られる。
 ミチオさんのように、退院後一度も通院しない人は、そうもいかないので地域の誰かが関わらねばならない。最寄りの訪問看護ステーションやケアマネジャー、さらに在宅療養支援診療所に相談することになるだろう。

「おわりに」
がん対策基本法が施行され、がんの人が地域に帰ることが増えてきているが、ていねいな調整がなされていないことがある。病院で「今しか帰れない」といわれても、その前に調整するチャンスは必ずある。地域の訪問看護や在宅療養支援診療所などの資源もまだ限られているので、関わるスタッフが、この人が家に帰った場合どうなるのか、準備しておくことは何か、などをイメージしながら早め早めに関わる動きが進んでほしいと考えているひらめき

                    おわり

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 大きな病院には相談業務を行う専門職がいる。代表的な職種はMSW(医療ソーシャルワーカー)である。医療や福祉の制度に通じ、中立な立場として病院内や地域の医師や看護師とも連携が取れる貴重な職種である。加えて貴重な人材として期待されているのが、「退院調整看護師」である。特に末期がんの方の相談には、病状や告知、麻薬など医療に関わる部分も大きく、進行の速度も速い。今後、退院調整に関わる看護師が増え、活躍することは、その人らしい人生を最期まで応援することにつながるに違いないやや欠け月
    <本文はひばりクリニック通信テレマカシー19号に掲載>
posted by 管理人 at 22:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホスピス
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