
退院後、在宅医療が始まった。最初に自宅へ関係スタッフが集まって話し合いを開いた。管を抜くかどうかが話題となった。尿の管は、正しくは「尿道留置カテーテル」というが、膀胱に入った部分が簡単に抜けないように、先のほうに風船を膨らます部分があるため、通称「バルンカテーテル」という。
尿閉の原因は明らかではなかった。そのため、バルンカテーテルを管を抜いても、尿が出るかどうかはやってみないとわからない。本来、このような管を抜くという試みは、病院に入院中にやっておいたほうがいい。在宅では常に医師や看護師がいるわけではないからである。抜いたあと、尿が出ない状態が続くことになると、膀胱や腎臓に負担がかかるため、適切な間隔で尿を出さねばならない。
では、自分で尿が出せない人はどうするかというと、一日に数回自己導尿というやり方で用を足している人がいる。脊髄損傷や神経因性膀胱という状態の人である。導尿とは、尿道孔に、その都度、清潔なカテーテルを入れて、尿の道をつくり、お腹を押したりしながら尿を出すことをいう。しかし、今回のご本人は、自分で導尿ができる人ではないので、尿がでない場合には、誰かが導尿をしなければならない。といって、一日に何度も訪問看護や往診することは現実的ではない。
話し合いではここが問題となった

バルンカテーテルを抜いて数日の間で、自分で尿がでたのは2度だけ。あとはずっと導尿が続いた。当初は期待もしていたが、徐々にその厳しさが明らかとなった。、導尿をするということは前をはだけるということである。細い管から少しずつしか尿は出ないので、時間もかかり体も冷える。感染の危険も高まる。家族も疲れてきた。
ついに熱を出した。尿路感染による熱だった

家族と訪問看護と話し合い、やはり自宅で毎回導尿をすることは本人や家族に負担がかかることと、通所サービスが使えないため、長続きしないこと、食欲も落ち体力も低下しているので、ここは撤退してバルンカテーテルの留置を続けようということになった。
落ちついてきた頃、訪問すると、ご本人は笑顔であった。食欲もあり、よく飲んで食べる。尿もきれいである。通所も使えるようになり家族にもゆとりができてきた。

抜きたいけれど抜けなかったが、一度試みたことで、やるだけのことはやったという思いが家族には残った。
宇都宮ではイチョウが色づいている。
今後、訪問看護と連携しながら、尿路感染を起こさないようなケアを続けていこうと思う

家族は薬は多くしたくないと言われたので、クランベリージュースを飲んでいただくことになりました。当初は酸味は我慢して飲んでいましたが、長続きしなかったので、クランベリーゼリーを食べていただくようになり、現在も継続中。クランベリーを飲食して戴き1ヵ月後くらいから、にごりはなく、臭いもなくなり、カテーテル交換が以前見たく頻繁に交換しなくなりました(定期交換のみ)。ただ、尿の色が少々紫色になる。
ところで、膀胱洗浄は先生のところでは、行っているのでしょうか?
ある先生は膀胱洗浄はそんなにする必要ないといわれる先生もいて・・・
洗浄には生食ですか?
以前、生食では頻回に行う事になるので、少々サイクルが長く出来る、酸性水を使用したことがあります。ただし、酸性水を作ったら直ぐに使用することが難点でした。
生食を患者宅へ数十本以って行くのは辛い!!港町は坂道(車が通れない)が多くて・・・
さて、バルンカテーテルがつまりやすい方は時々おられます。水分を多めに取る、局所を清潔にする、など一般的な方法でもつまる方は、まずバルンの材質を変えます。ゴムやシリコンから、バイオキャスや銀をコーティングしたシルバーキャスに変えます。
しかし、過去に、つまりにくいとされるシルバーキャスに変えて、水分もしっかり摂り、毎週1回交換していても途中でつまってしまった方がおられました。そこは訪問看護が24時間動いていないエリアでしたので、夜中の3時に泣く泣くバルンカテーテルの交換に往診したこともありました。
私も当初は、膀胱洗浄をすることは尿路感染の機会を増やすだけであるという考えていました。しかし、なんとしてもつまってしまう場合には、物理的にカスをとる方法しかないという泌尿器科の意見をきき、現在は手を尽してもダメな方は膀胱洗浄をしています。ちなみに上記の方は週1回訪問看護により膀胱洗浄をしてからは閉塞で呼ばれることは皆無になりました。ちなみに洗浄液は生理食塩水です。
クランベリーは効果はあると思いますが、自費ですのでなかなか続きません。尿が紫色になるのは、便秘などによってつくらてたインジカン尿が細菌によりインジゴブルーが分解生成されるためで、病的なものではないようです。
坂道を重い荷物を背負っての訪問お疲れ様です。えいほっ えいほっと。
外は冷え込んできました。宇都宮では昨朝は初氷でしたよ。お体くれぐれもご自愛ください。