
児童養護施設は、かつては親を失った子どもが大きくなるまで過ごすところでした。しかし今は、親から虐待(ネグレクトといわれる育児放棄含む)を受けて一緒に暮らすことができない子どもたちが大半といわれています。しかし、中卒や高卒で児童養護施設を出た後、このような子どもたちが社会に出るにはあまりに厳しい現実があります。もうその段階で働いて自立を目指さねばならないからです。子どもたちの受け皿となっている施設に自立援助ホーム星の家(宇都宮市)があります。
星の家は、星俊彦さんが、目の前の子どもたちをなんとかして救いたいという思いから、当初、自宅に子どもたちを住まわせ、自立できるような支援を繰り返してきました。しかし、安全に暮らしはじめると徐々にいろんな症状が出てきます。
親から愛情をもって育てられた経験のない子は幼児がえりをします。うつ状態になったり、リストカットをしたり、警察の世話になる子どももいます。しかし、星さんは、その子達が星の家にくるまでにおかれていた環境を思うと「本当に子どもたちはよく生きてきた」といいます。
星の家の定員は6名ですが、条件は働くという前提で住むこと。
星の家を卒業していった子どもたちからもいろんな相談が星さんに
寄せられます。今は、星の家は星さん宅とはちがう建物ですが、結局星さんは何かコトがおこるといつでも対応をしておられます。自分の人生をかけてなさっている尊い活動には応援者が多く、先日の星の家まつりがあり盛況でした。
このたびNHKで児童養護施設や自立援助ホームのことがとりあげられ、星の家のことも紹介されます。
もっとこのような活動に光があたってほしいと思っています。
関心のある方、ぜひご覧下さい。
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11月10日(月)11日(火)二夜連続 PM8:00〜8:30
NHK教育テレビ「福祉ネットワーク」
10日(月)は、児童養護施設の特集。
「虐待や養育不能など、親もとで暮らせない子どもたちが共同生活を送る児童養護施設。安心して暮らすことができるはずのこの施設で、内部での虐待が相次いで報告されている。施設の職員による体罰や性的虐待、子ども同士のいじめや暴力…。番組では、施設内虐待の実態、そして虐待を克服する取り組みを始めた施設の取材から、虐待が起こる背景や、防止のための課題を探る」
11日(火)は、自立援助ホーム。
「虐待などで社会や大人に不信感を抱えた子どもたちの自立は、容易なことではない。児童養護施設には、高校に進学した場合は卒業まで入所できるが、中退すれば退所を促される。社会に出て就職しても、孤立するケースが少なくないという。そんな子どもたちの『受け皿』となっているのが『自立援助ホーム』。番組では、ある自立援助ホームにカメラを据え、子どもたちの現実を見つめ、自立に向けた課題を探る」